札幌ガス爆発事故でのアパマンショップの賠償額はいくらになるの?

札幌ガス爆発 アパマンショップ

平成30年12月16日の夜札幌市の雑居ビルで起きたガス爆発事故は、衝撃的な爆発、炎上の動画がテレビやインターネットで流れたことから、今も記憶に新しいのではないかと思います。

当初42人と言われていた負傷者は、事故の原因とみられている不動産仲介業者アパマンショップの男性店長らを含め52人にまで拡大し、全壊した建物1棟を含む39棟の建物と近くにあった26台の車両が損壊したと報道されています。被害はこれより多くなるかもしれません。

これだけ甚大な被害が生じたにもかかわらず、命を奪われた人がいなかったことが不幸中の幸いでしたが、これらの被害の責任、特に損害に対する金銭的な責任は一体誰が取るのでしょうか。

損害賠償責任は?

報道によると爆発は、アパマンショップの店長と店員が約120本のスプレー缶のガス抜き作業を建物内で行ない、手を洗うために湯沸かし器をつけたときに起きたとされています。

もし、これが事実だとすれば、この店長と店員に過失が認められ、これら2名が民法709条によって損害賠償責任を負うことになりますが、2名の使用者にあたるアパマンショップも民法715条1項によって同様の損害賠償責任を負うことになります。

それでは、具体的にいくら支払うことになるのでしょうか。

まず、一番被害額が大きいと考えられるのが、アパマンショップが入っていた全壊した建物です。これがアパマンショップの所有ではなく賃貸物件であった場合、アパマンショップは賃借人として、この建物の所有者に対して建物の全損害(最低でも建物相当額)を支払う必要があります。二階建ての建物であったということなので、数千万円から1億円程度の損害賠償額になると考えられます。

また、アパマンショップに隣接していた飲食店も爆風と火災により店内設備に壊滅的な被害が生じており、設備についての数百万円から3,000万円程度の損害賠償のほか、営業できなかった期間分の営業損失として数十万円から数百万円程度の損害賠償を、売り上げの多い店であれば数千万円程度の損害賠償を支払う必要があります。

このほか、爆風や火災で設備が破損した近隣の建物の修理費用としても1,000万円から数千万円程度の損害賠償をすることになるでしょう。

付近にあった車両26台については全損したものもあるように思われ、これらの損害額も合わせて1,000万円から4,000万円程度にはなるでしょう。

アパマンショップは怪我を負った人に対しても損害賠償を支払う必要があります。事故を自ら引き起こした店長と店員を除く50人に対しては治療費や慰謝料等を支払う必要があります。報道によると入院するほどの大きな怪我を負った人はいないようなので、後遺症が残っていなければ、1人あたり数万円から30万円程度になるのではないかと考えられます。もっともPTSD(心的外傷後ストレス障害)があるなど、長期にわたる通院治療が必要な場合、その治療費や慰謝料は大きくなり、100万円以上になる可能性もあります。そういった事情がなければ50人合わせても数百万円から1,000万円程度にとどまるのではないかと考えられます。

多岐にわたる損害・・・

これ以外にも停電した約80世帯に対して、1世帯あたり数千円から数万円程度、営業店舗等で営業損害が生じている場合は数十万円程度の損害賠償をする必要があります。

これらを合わせると、アパマンショップは8,000万円から3億円程度の損害賠償を支払うことになるのではないかと考えられます。報道に出ていない損害がある場合はさらに額が増えるでしょう。

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