CCCの方針転換について

CCCの方針転換について

先日から「Tカード」のCCC(カルチュア・コンビニエンス・クラブ)が、顧客に告げずに利用者の個人情報を捜査機関に提供していたことが問題となっています。

2019年2月5日、CCCは「今後、捜査令状がない限り利用者情報を捜査機関にも提供しない」と発表しており、これまでの方針を転換するに至りました。

以下ではCCCが方針転換に至った経緯や今後の展望などを紹介していきます。

これまでの経緯とCCCの対応

CCCは、ポイントカードとして全国で広く利用されている「Tカード」を発行している会社です。Tポイントを通じ、コンビニエンスストアだけにとどまらず駐車場やガソリンスタンド、飲食店やショッピングモールなど多くの店舗と提携しており、非常に多くの顧客情報を集めています。

「捜査関係事項照会書」という任意の照会に応じて情報提供するように

こうしたポイントカードの会社は、捜査機関から照会を受ける例も多々あります。

CCCは、従前は令状なしの情報開示に応じていなかったのですが、いつしか顧客に発表をしないまま「捜査関係事項照会書」という任意の照会に応じて情報提供するようになっていました。このことが発覚して「個人情報漏えい」と言われて「炎上」し、同社に対して強い批判が寄せられ解約希望者も相次ぎました。

こうした状況を受け、CCCは2019年1月21日、自社ホームページ上において謝罪し「法令で認められる場合を除き、あらかじめご本人の同意がある場合以外は個人情報を必要な範囲を超えて第三者に提供しません」と明示しました。しかしこの内容では捜査関係事項に応じて顧客情報を開示し続ける可能性があったため、CCCに対する批判はやまず、騒ぎは一向に収まりませんでした。

CCCの方針転換

このようにCCCは、今まで顧客の承諾を取らないまま「捜査関係事項照会書」に応じて顧客情報を提供していたものですが、批判が続くこともあって個人情報の取扱方針について、以下のような暫定的な措置をとると発表しました。

今後は正式な対応策が確定するまでの間、捜査機関による任意の照会による個人情報の開示は行わない。捜査令状にのみ対応する。

お客さま情報のお取り扱いについて | CCC カルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社

つまり、今後しばらくの間は捜査機関から「裁判所の令状」を示されない限り、顧客情報を開示しないということです。

このようなことであれば、一応顧客側も安心してカードを使うことができそうです。

今後考えられる動向について

ただし今回CCCが方針転換をしたからといってすべて解決というわけにはいきません。

まず、すでに捜査機関に提供されてしまった個人情報の問題があります。いったん情報提供されている以上、100%元の状態に回復することは困難です。漏えいされた顧客がCCCに対して事実関係の調査を求めたりプライバシー権侵害で損害賠償請求をしたりする可能性もあります。

また今回の措置は「一時的」ということですから、今後確定的な決定内容がどのようになるのか不透明です。元のように任意開示の状態に戻ってしまっては意味がありませんが、かといって「捜査令状がないと一切対応しない」という方針を採用できるのかどうか、疑問があります。

実際には、PONTAカードやdカードなどの同業他社も、捜査関係事項照会書に対応して任意の顧客情報を提供しているようです。だとすれば、Tカードのみに「令状がないと情報提供しない」という重い義務を課すことが妥当なのかという問題も発生します。

社会全体の個人情報保護に対する意識向上に役立てたい

個人情報保護に対する意識向上に

今回のCCCの個人情報漏えい問題は、もはやCCCだけの問題にとどまりません。ポイントカード業界やそれ以外の個人情報を取り扱う会社、団体組織のすべてが意識を変えて、個人情報保護にもっと熱心に取り組むべきではないでしょうか?

一番良いのは今回のCCCの事件をきっかけに、各カード会社や社会における個人情報保護への関心が高まり、よりいっそう適切に重要情報が取り扱われるように社会全体が変わっていくことです。

単にCCCを叩く、炎上させるのではなく、国民や社会全体が個人情報保護を考えるきっかけとなり、進歩のきっかけになることを期待したいところです。

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